突然ですが、キャンピングカーって分かりにく言葉が多すぎる気がしませんか?
今回はキャンピングカーでよく使われる専門用語をいくつかわかりやすく紹介してみたいと思います。これを知っておけば、専門店に行って説明を受けるときや専門誌を読んでいても今までよりはきっと分かると思います。
まずは、キャンピングカーの外観や形状・ジャンルについてよく使われる用語を説明しようと思います。
最初は「コンバージョン」というコトバ。これだけで、「??」と逃げ出したくなりますが、コンバージョンとは、(改造する)や(改装する)を意味する英語です。
キャンピングカーは改造や改装ではなく、架装という表現を使う事が多いのもポイント。キャブコンバージョン、バンコンバージョン、バスコンバージョン、フルコンバージョンなど、ベース車両や形状によりジャンル分けがされています。
※軽キャンパーやトラックキャンパー、キャンピングトレーラーは見た目のままなので割愛します
■バンコンバージョン
■バスコンバージョン
例えばバンコンバージョンは、英語でVAN CONVERSIONと記すとおり、トヨタのハイエースや日産NV350キャラバンなど、1ボックス車やミニバンをベースに架装しているという意味になります。バスコンバージョンはトヨタのコースターといったバスをベースに架装した車両を指します。
■キャブコンバージョン
出典「VANTECH ZiL」
キャブコンバージョンのキャブ(CAB)とはトラックの運転席を含めた箱部分のことで、国産車ならトヨタのカムロードやマツダ・ボンゴ、いすゞ・Be-camなど、輸入車ではフィアット・デュカトやメルセデス・ベンツ・スプリンターなどがベースになることが多いです。
キャブ付きの車両に居住空間(キャビン)となるキャンピングシェルを架装したモデルをキャブコンバージョンと呼びます。
■フルコンバージョン
フルコンバージョンはシャシーフレームや動力&駆動系以外である、すべてのキャンピングシェルを架装したモデルのことをいいます。
次に、キャブコンやバスバージョンついでに「バンク」という用語を説明しましょう。これは、(銀行=BANK)を意味するワケではありません。キャンピングカーではよく、ホテルやヨット・飛行機などで使われる用語が多く登場するのが特徴で、このバンクというのは英語でBUNKと表し、列車では寝床、ホテルでは仮眠用の二段ベッドを指します。
■バンク
出典「ADRIA CORAL XL」
キャンピングカーで言うところのバンクとは、キャブコンバージョンモデルなどに付いている装備で、外からクルマを見たときにリーゼントのような形状をした部分を言います(海外ではアルコーブと呼ぶことも)。バンク部分は大抵、ベッドや荷物を置く場所として利用できる設計になっているのが特徴です。
■ロープロファイル
出典「Sunlight Low-Profile」
話が少しだけ横に逸れてしまいますが、バンクと合わせて覚えておきたいのが「ロープロファイル(LOW PROFILES)」という用語。ここ数年、バンク部分の張り出しを極力なくしたデザインがヨーロッパでは主流になってきており、日本でもそうした流れを取り入れるビルダーも多くなってきています。空気抵抗を減少させて走行安定性の向上を目指しているのが主な理由です。
このように、キャンピングカーのフロントからリヤにかけてバンク部分を抑え流線的なデザインすることを「ロープロファイル」と呼びますが、シャシーを低床化することも同じく「ロープロファイル」と呼ぶので、ロープロファイルと聞いたら、バンク部分を薄くし、床を低く抑えてクルマの走行性能がアップしていると捉えておけば問題はないでしょう。
ここまで説明してきたコンバージョン、バンク、ロープロファイルの意味は理解できました? 見た目だけでも色々な用語を使いますが、理解すれば意外と簡単ですよね。 次回は室内での用語を紹介しようと思います。